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第19回 旭川建築作品発表会
第19回 旭川建築作品発表会 旭川会 重綱 博美

日時:2009年2月18日
第1部卒業設計発表 旭川工業高等学校・東海大学
第2部特別講演
講師:㈱川口衛構造設計事務所 工学博士 川口 衛
場所:旭川市科学館「サイパル」

2009年2月18日、今年で第19回目を向かえた「旭川建築作品発表会」が行われました。昨年より旭川工業高校と東海大学 建築・環境デザイン学科の卒業設計も発表されています。旭川工業高校は、卒業設計のテーマとして旭川駅周辺の再開発「北彩都あさひかわ」、恒久歩行者天国「平和通り買物」、そして「旭山動物園」の3つを掲げています。それぞれのテーマに沿った卒業設計を各々5分、発表していただきました。「北彩都あさひかわ」を舞台とした卒業設計はリラクゼーションを目的とした-五感ミュージアム-、「平和通り買物」は中心市街化の活性化を目指した-買物公園地下街計画-、「旭山動物園」は混合飼育を考慮した-旭山動物園 ワニ・カバ館-でした。地下に地上まで達するシンボルツリーを配置したり、混合飼育にこだわって計画を行うなど、高校生なりに設計を突き詰めて行く姿勢が見られました。一方、東海大学 建築・環境デザイン学科の卒業設計も「北彩都あさひかわ」を舞台とし「心のオアシス」をテーマとした-ENKEL MUSEUM-です。普段の生活の中で芸術や自然とのふれあいを求めた施設で、北彩都計画の大池に面しあまり大きくない単位の建物を点在させる計画となっていました。あえて手書きとした作図手法も含め見応えのある作品でした。

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これまで第2部は、旭川近郊の新しい建築を4題程、設計者自ら15分程度の発表をいただいていましたが、今年からは1題をより深く発表いただく形式とし、その1回目は来年から一部供用の始まる旭川駅舎としました。その中でも「樹林構造」とも呼ばれる特異な構造形式を今回のテーマとして、構造建築家 川口衛先生に約1時間の講演をいただきました。構造体の露出が多い駅舎において意匠デザインと構造デザインの調和の重要性ついて日向市駅・JR高知駅の例も紹介いただきました。共に集成材と鉄骨を適材適所にもちいたハイブリット構造であり、日向市駅では応力に沿った美しいカーブを描く変断面集成梁の製造工程やその中で端材となった集成材をキャノピーの柱として無駄なく使った事、JR高知駅では高架橋をすっぽりと覆う大架構構造でありながら、南北で異なったファサードをもつ特異な表情を主要構造部で集成材用いながら鉄骨の特性を加えて完成させたユニークな構造形式と両者の接合部の設計も美しさに配慮などを講演頂き、とても考え深いものでした。旭川駅舎においては180m×60mの大屋根を支える構造設計のケース・スタディの遍歴を上部構造と下部土木構造との調和などを駅舎ならではの特殊性を踏まえ解説いただきました。無柱空間の試みなど実施案までにはいくつもの試みがあったようです。実施構造は、まるで樹木のように1点の柱脚部から四叉に柱が生え広がって行く構造です。この構造は単にデザイン上のプロセスのみならず、柱脚部で応力が1点となることで、下部の高架への応力を単純化する事が大きな目的との事でした。その他エキスパンションのデザインなど構造建築家ならではのお話を明確に伺うことができました。質疑では内藤事務所の川村さんも参加いただきとても有意義な会となりました。会終了後には学生との記念撮影も快く受けていただき、多くの参加者に心に残る会となりました。

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by hokkaido-jia | 2009-03-01 00:04 | 北の建築家たち Vol.65
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